突然ですが、皆さん。
食べたもの、ちゃんと「消化」できてますか?

この記事をご覧の方々は、おそらくヘルスコンシャスな方ばかり。食事は安全安心を求めるのはもちろん、オーガニックにこだわったり、栄養価の高い食材(いわゆるスーパーフード等)に詳しかったり、食品を購入する時は必ず原材料をチェックする等々、食と健康や美容に関して敏感な方が多いと思います。
まさかそんな皆さんに限って、自分の「消化力」について考えていない事はないですよね??

……すみません。こんな言い方して。
でも、ここまで言うのは理由があります。健康や美容のため、毎日の食事内容にこだわる方はいても、それを受け取る側、つまり自分の体内環境に着目してセルフケアを行う方があまりにも少ないのです。なんと勿体ないことでしょう。

それどころか、この「消化力」が低下していることで、様々な不調を抱える現代人が急増中なのです。

消化力とは?

消化力とは「消化、吸収、排泄」を担う消化器官のトータルの力のこと。海外では「Digestive wellness」と言います。直訳すると消化器の健康、です。日本では腸活がブームですが、海の向こうには「腸活」なる言葉はありません。口から肛門まですべて消化管をトータルで捉え、セルフケアする意識が根付いています。この消化力の健康状態を知るためのホームテストや幼児向けのテキストなんかもポピュラーです。

消化吸収のプロセス

参照:図解 消化吸収プロセス(Kids Discover)

消化力。言い換えれば、食べたものを「活かす力」です。私たち人間が元気に生活するための「栄養にする力」といっても良いでしょう。
健康や美容は、カラダを作る60兆個の細胞が元気に働いてくれればこそです。私達は口から食べた物を細かく消化して栄養素を吸収し、不要なものは排泄するという一連のサイクルの中で生きています。この役割を担っているのが、私達の「消化管」です。人間が健全に生きていくうえで欠かせない、消化~吸収~排泄するプロセスを一手に引き受けてくれています。健康や美容のために何を食べるかは重要です。しかし、それ以上に、これらのプロセスを担う「消化器」を意識し適切にセルフケアして「消化力」を健全に保つことが大切なんですね。

その不調、消化不良のせい?

では、この消化力が健全に働かないとどうなるか?
例えば、胃酸の分泌不足によって消化不良が起これば、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素の不足を招きます。未消化の食べカスが腸に生息するバクテリア(悪玉菌)の繁殖を旺盛にし、腸内環境の悪化につながります。吸収機能が滞ると、60兆個の細胞にエネルギーが送れなくなるだけでなく、未消化物、細菌やウィルス、化学薬品などの異物が体内に侵入してしまいます。
このように、代謝、免疫力、メンタル、自律神経に悪影響を及ぼし、いわゆる不定愁訴や慢性症状を引き起こす大きな原因になってしまうのです。ちょっと恐ろしいですよね。

消化管に関わる不調の一例:
便秘、下痢、慢性疲労、胃もたれ、胸やけ、逆流性食道炎、過敏性腸炎(IBS)、リーキーガット症候群、SIBO(シーボ)、食物不耐症、栄養失調、貧血、うつ、不眠、腹部膨満、筋肉の衰え、サルコペニア、肌荒れetc

じゃあ、どうすればいいの?今日からすぐに出来ること

このように見ていくと、消化力が弱い状態であると、せっかくスーパーフードやオーガニック食材を使ったメニューを食べても、猫に小判、豚に真珠、宝の持ち腐れ、お金をドブに捨てるようなもの!!それだけでなく、健康や美容の悩みをつくる諸悪の根源といっても過言ではないのがお分かりいただけると思います。
じゃあ消化力を高めるってどうすればよいの?消化管の働きをケアするってむずかしい?お金がかかる?いやいや、そんなことないですよ。今日から出来ること、そして気を付けること、基本中の基本をお伝えします。

1. ながら食いをやめる
2. 早喰いをやめる
3. よく噛んで食べる

となります。ちょっと拍子抜けしたでしょうか。これだけ守るだけであなたの消化力は120%アップします。忙しい現代人は、ついつい急いでガツガツ食べたり、スマホでメールをチェックしながら食べたりしがです。食事の時間は食事に集中すること。5感をフル活用して食べることで、胃酸が分泌されるスイッチが起動され、消化が促進されます。そして、1口につき最低20回は噛むこと。よく噛むことで唾液が十分に分泌され、プチアリンという消化酵素が活性化します。
こうしてみると、ちょっとの心がけが大切なんですよ。「食べ方」に気をつけようという事なんですね。

注:さらに詳しく「消化力セルフケア」についてお知りになりたい方は、こちらより無料PDFをダウンロードしてくさだい。「消化力を高める5つの秘訣」と題して、各項目の解説とアクションプランにまとめています。

食事も学びも感情も。「消化」が人生を健やかにする

いかがでしょう。健康のために何を食べるかは大事だけど、どう食べるかはもっと大事!という意味がお分かりいただけたのではないでしょうか。
実は「消化」という概念は、単に食事の話だけでなく、人生を健やかにするキーワードです。
いろいろ情報過多でお腹いっぱいの現代だからこそ、しっかり消化して溜め込まない自分を目指すということ。何かにつけてストレスフルな社会、腹の立つことやいやな事があってもネガティブな感情は溜め込むとロクなことはありません。ちゃんと「消化」して前に進まないとです。食事も学びも感情も。インプットしたらアプトプットして、キレイすっきり!そんな「消化生活」を意識したセルフケアを心掛けてくださいね。